トビに食べ物を取られるな!

海岸などで手に持っている食べ物を、突然トビに取られたことはありませんか?
トビが悪いのでしょうか?
その原因を調べ、トビに取られない方法を考えました。

トビはトンビとも呼ばれ、日本全国でもっとも身近なワシタカの仲間です。(沖縄では稀。)
主に動物の死骸や魚などの小動物を餌にしています。
本来、野生のトビは、人が食べ物を持っていても近づかず、人を襲ったり食べ物を取ったりしません。
トビが人の手から食べ物をとるのは、ごく限られた地域だけです。
湘南など、その地域で人がトビに餌を与えたこと(餌付け)が原因です。

トビは、何度も餌付けされるうちに人の手から簡単に食べ物がとれることを学んでしまいました。
最近は直接餌付けをする人は少なくなりましたが、人間の食べ物の味を覚えたトビは、それを狙って後方から急降下して手に持っているものを取っていきます。
そのときに翼や爪が当たって傷を負ったり、驚いた拍子に転倒してしまう事故が起きています。
人は取られたと思っても、トビにとっては餌付けされているのと同じことです。

どうしたらトビは人の手に持っている食べ物を取らなくなるでしょうか?
それには私たち人間が取られないようにする事が必要です。
そこですぐにできる3つの対策を考えました。        
・屋根のある場所で食べる(トビが入れない屋内がベスト)
・傘をさして食べる(上空から見えないようにする)
・大きな壁を背にして食べる(トビが後ろから近づけないようにする)
私たち人間が根気強く対策を続けることで、トビの行動を元に戻す事ができるはずです。
そして、安心してお弁当を広げられる海岸を取り戻しましょう!

救護連では、観光地などで聞き取り調査を行い、トビの被害マップを作っています。(調査地域は限られています。) そして被害の多い地域のイベントなどで、パネルの展示やワークショップを行い、楽しみながらトビのことを知ってもらい、野生動物であるトビと人間が適切な距離を保った関係を築くことを目指しています。